有声音化とは
ハングルの「有声音化」とは、もともと子音(ㄱ・ㄷ・ㅂ・ㅈ)が、母音にはさまれた位置や鼻音(ㄴ・ㅁ)やㄹの後など“声帯が振動しやすい環境”に来たとき、無声音→有声音として実際の発音が[g][d][b][ʥ]系に近づく現象です。表記は変わりませんが、音だけが濁ります。
しくみ(要点)
- 対象:ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅈ(子音)
- 環境:V(母音)_V、ㄴ/ㅁ/ㄹ の後 など
- 結果:
- ㄱ → [g](例:국어[구거/クゴ])
- ㄷ → [d](例:바다[바다/パダ→実際はバダに近い])
- ㅂ → [b](例:아버지[아버지/アボジ])
- ㅈ → [ʥ]~[dʑ](例:여자[여자/ヨジャ])
- しないもの:ㅅ(語中でも基本は無声の[s]/[ɕ]のまま)
起こりにくい/起こらない環境
- 語頭では原則無声音(濁りにくい)
- ㅎの影響があると帯気化(強く息が出る)して濁らない(例:좋다→[조타])
- 激音・濃音の直後も濁りにくい
例
- 가방 → [가방](カバン:語中のㄱ・ㅂがガ・バに近い)
- 국어 → [구거](クゴ:ㄱがグに近い)
- 아버지 → [아버지](アボジ:ㅂがボに近い)
- 친절 → [친절](チンジョル:ㅈがジョに近い)
- 읽어요 → [일거요](イルゴヨ:ㄹの後のㄱがグに近い)
学習のコツ:表記はそのまま・音だけ濁ると覚えると整理しやすいです。特に語中の子音は「にごりやすい」、ㅎや語頭はにごりにくい、と環境で分けて練習しましょう。
クイズ5問
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