世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」がよくわかる！クイズ５問

正解は選択肢 3. 年間平均200トン程度（うち石見銀山が38トン）です。

解説:
石見銀山は17世紀頃の最盛期において、日本全体の銀産出量の約3分の1に相当する年間平均200トン程度の銀を産出していました。この産出量は世界的にも非常に大きなものであり、スペイン王国ペルー副王領ポトシ（現在のボリビア）のセロ・リコと並ぶ銀産出地として西洋でも有名になりました。

石見銀山は大久保長安の指導のもと、急速に開発が進められ、家康に多くの銀を納めることで朱印船貿易の元手となりました。安原伝兵衛による釜屋間歩の発見などにより、銀の産出量はピークに達し、1602年（慶長7年）の運上銀は4-5千貫にもなったと言われています。

しかし、その後銀の産出量は次第に減少し、1675年（延宝3年）には銀山奉行の職は大森代官に格下げされました。石見銀山の衰退の原因としては、採掘が深くなり、鉱脈の探索が困難になったことや地下水の問題が挙げられます。

石見銀山の産出量は日本の銀需要を支える重要な要素でしたが、現在は閉山となっており、鉱業権はDOWAホールディングスが保有しています。

正解は選択肢 3. 灰吹法です。

解説:
灰吹法は、石見銀山で17世紀に導入された新しい銀精錬技術です。従来の製錬方法では、銀含有鉱石を焼いて銀と鉛を分離する鉱石選別法を使用していましたが、この方法では銀の回収率が低く、効率的な大量生産が困難でした。そこで、石見銀山の領主である毛利氏は、オランダの銀精錬技術を取り入れた灰吹法を導入しました。

灰吹法では、銀含有鉱石を特殊な窯で高温で焼いて銀を分離します。この方法により、銀の回収率が向上し、良質の銀の大量生産が可能になりました。石見銀山はこの灰吹法を活用して、日本全体の銀産出量の約3分の1に相当する年間平均200トン程度の銀を産出しました。

石見銀山の灰吹法は、当時の日本の銀産業に大きな影響を与えました。また、石見銀山は現在もその歴史的価値が認められ、遺跡や文化的景観として保護されています。

龍源寺間歩の出口

正解は選択肢 4. 間歩（まぶ）です。

解説:
間歩（まぶ）は、銀山採掘のために掘られた坑道のことを指します。石見銀山では、鉱脈を探し出し銀を採掘するために、坑道が多数掘られました。これらの坑道は間歩と呼ばれ、銀山内部を網の目のように広がっています。

間歩は狭くて暗い空間であり、鉱夫たちはそこで長時間の労働を行っていました。彼らは手作業で岩石を掘り進み、銀を採掘していました。間歩は銀山の重要な要素であり、その複雑な地下空間は銀山の特徴的な景観となっています。

石見銀山の間歩は、当時の鉱山技術の進歩と努力によって作られたものであり、現在は文化的景観として保護されています。訪れる人々は、間歩の迷路のような坑道を歩きながら、銀山の歴史と労働者の苦労を垣間見ることができます。

正解は選択肢 2. 石見銀山街道鞆ヶ浦道です。

解説:
石見銀山街道鞆ヶ浦道は、16世紀の前半に石見銀山から日本海に至る最短距離の搬出路として利用された街道です。石見銀山は銀の産出量が多く、その銀を搬出するためには効率的な交通手段が必要でした。石見銀山街道鞆ヶ浦道は、そのニーズに応えるために整備されました。

鞆ヶ浦道は石見銀山から鞆ヶ浦までの約15キロメートルにわたる道路で、山間部を縫っているため、起伏が激しく曲がりくねった道路です。この道路は、銀の搬出に加えて、銀山の従業員や物資の輸送にも利用されました。

石見銀山街道鞆ヶ浦道は、当時の石見銀山の繁栄と結びついた重要な交通路であり、現在もその歴史的な価値が認められ、観光名所として多くの人々が訪れています。

正解は選択肢 2. 鞆ヶ浦です。

解説:
鞆ヶ浦は、石見銀山から博多に向けて銀鉱石及び銀を積み出した日本海岸の港です。石見銀山は銀の産出量が多く、その銀を各地に搬出するためには効率的な交通手段が必要でした。鞆ヶ浦はその役割を果たす港として使用されました。

鞆ヶ浦は石見銀山から博多までの海岸線に位置し、交易の拠点として栄えました。銀鉱石や銀を積み出す船が出入りし、その活気溢れる港町として栄えました。

現在の鞆ヶ浦は、その歴史的な価値が認められ、風光明媚な観光地として多くの人々が訪れています。鞆ヶ浦の港の風景を眺めながら、石見銀山の歴史と交易の繁栄を感じることができます。