世界遺産「平泉ー仏国土を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群ー」のすべてがわかる！クイズ10問

正解: 3. 登録延期

解説:
2006年、日本政府が平泉の世界遺産登録を申請しましたが、世界遺産センターは登録延期の決議を下しました。これは、平泉の価値が認められつつも、さらなる詳細な文化財情報や管理計画の提出を求めたものです。登録延期の理由としては、平泉の歴史的価値や文化的重要性は認められているものの、登録に際しての詳細な調査や保護策の充実が必要とされたためです。

平泉は、平安時代から鎌倉時代にかけて栄えた都市であり、重要な仏教寺院や歴史的建造物が集中しています。しかし、地震や戦乱による被害などにより、一部の建造物は失われてしまいました。そのため、登録にあたっては、残された建造物の状態や修復計画、文化財保護の取り組みなどが詳細に調査される必要がありました。

その後、日本政府や岩手県は ICOMOS の勧告に従い、基準 (ii) に基づく推薦に切り替えることを2009年に決めました。登録名も「文化的景観」を外し、「平泉―仏国土（浄土）を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」と変更し、ICOMOS から除外すべきと指摘されていた達谷窟、白鳥舘遺跡、長者ヶ原廃寺跡、骨寺村荘園遺跡の4件の除外を決め、残る6件の資産で再構成することになりました。平泉の文化遺産は2011年（平成23年）6月19日から29日に開催された第35回世界遺産委員会（パリ）で審議され、6月26日に世界遺産リストへの登録が決議されました。

中尊寺の本堂

正解: 3. 藤原清衡

解説:
中尊寺は、**藤原清衡によって造営**されました。中尊寺は9世紀の円仁によって開山され、清和天皇から寺号が下賜されたと伝えられています。しかし、中尊寺の寺観が整ったのは、**12世紀の藤原清衡による伽藍造営**時であり、現在の中尊寺の姿はその時代に遡ります。

清衡は前九年の役や後三年の役で家族を亡くし、敵味方を区別せずに戦没者の魂を浄土へ導くことと、東北に優れた仏教文化を根付かせることを目指し、中尊寺の建立に取り組みました。中尊寺はその後も修復や保存が行われ、現在も当時の建造物の一部を見ることができます。

中尊寺は特に**金色堂**が有名で、国宝に指定されています。藤原清衡によって建立され、高さ8m、全面に金箔を張り、華麗な装飾が施されています。金色堂は、中尊寺では唯一現存する創建当時の建造物であり、中尊寺の見どころの一つです。

正解: 3. 阿弥陀如来の仏国土（極楽浄土）

解説:
中尊寺金色堂の「方三間」は、阿弥陀如来の仏国土（極楽浄土）を表しています。金色堂は、中尊寺の中で唯一現存する創建当時の建造物であり、その豪華な装飾は注目されています。方三間とは、建物の平面形状を表す用語で、中尊寺の金色堂の平面形状が方三間であることを意味しています。

阿弥陀如来は、仏教の信仰対象であり、極楽浄土とは仏教の理想郷のことを指します。金色堂の方三間は、阿弥陀如来の仏国土を表す建築物として造られており、その装飾や彫刻によって極楽浄土のイメージが表現されています。

中尊寺金色堂は、平泉で最も重要な文化財の一つであり、その美しい姿は多くの人々に感動を与えています。中尊寺の仏堂建築の中では国内最古のものであり、平安時代の豪華な建築技術や美意識を伝える貴重な存在です。

正解: 1. 藤原基衡と円仁

解説:
毛越寺は、藤原基衡と慈覚大師円仁によって造営と開山が行われました。毛越寺は平安時代初期に建立された寺院であり、平泉の仏教文化の中心地の一つです。

藤原基衡は、平安時代の武将であり、平泉を栄えさせるために多くの寺院や建造物の建立に取り組みました。毛越寺も基衡の意向によって造営され、平泉の仏教文化の拠点となりました。

円仁は、日本の仏教の開祖である慈覚大師として知られています。彼は毛越寺を開山し、寺院の運営や修行の指導に努めました。円仁の教えや影響により、毛越寺は平泉で重要な存在となりました。

毛越寺は現在も多くの信者や観光客に愛されており、その美しい建築や庭園は平泉の魅力の一つです。

正解: 3. 観自在王院跡

解説:
観自在王院跡は、背後にある金鶏山と一体となった浄土庭園が再現された平泉の世界遺産です。観自在王院は、平安時代末期に建立された仏教寺院であり、平泉の景観を彩る重要な存在です。

観自在王院の浄土庭園は、浄土思想を表現したもので、背後の金鶏山を背景にした美しい庭園が特徴です。庭園には池や島があり、そこには極楽浄土を象徴するとされる様々な要素が組み込まれています。

この庭園の再現は、平泉の歴史的・文化的価値を伝える上で重要な役割を果たしています。観自在王院跡は、平泉の他の世界遺産とともに、訪れる人々に美しい景観と歴史的な魅力を提供しています。

正解: 4. 無量光院跡

解説:
無量光院跡は、藤原秀衡が宇治の平等院鳳凰堂を模して、12世紀後半に建立したと言われる寺院の遺跡です。藤原秀衡は、平泉の仏教文化を栄えさせるために多くの寺院や建造物の建立に取り組みました。無量光院跡はその一つであり、平安時代の美しい建築技術や美意識を伝える貴重な存在です。

無量光院跡は、現在はその遺跡となっていますが、当時は藤原秀衡が建立した寺院の一部として栄えていました。この寺院は、宇治の平等院鳳凰堂を参考にして建てられたと言われており、平安時代の建築様式や美しい装飾が特徴です。

無量光院跡は、平泉の文化遺産の中でも重要な存在であり、その美しい姿は多くの人々に感動を与えています。現在も遺跡として保護され、平安時代の歴史や文化を伝える貴重な資料となっています。

正解: 1. 金鶏山

解説:
金鶏山は奥州藤原氏の都市計画において基準点となったと推測されています。この山は平泉の景観を形成する重要な要素であり、当時の都市計画の一環として整備されました。

金鶏山は平泉の中心に位置し、その美しい自然環境と景観が奥州藤原氏の都市計画の基盤となりました。また、金鶏山からは平泉の町並みや周辺の景色を一望することができます。

今日でも金鶏山は平泉の観光名所として人々に愛されており、その麓には多くの寺院や庭園が広がっています。

正解: 1. 浄土思想

解説:
浄土思想は、阿弥陀如来を信仰し、西方極楽浄土に往生することを目指す思想です。阿弥陀如来は、仏教の信仰対象であり、極楽浄土は仏教の理想郷のことを指します。

浄土思想は、人々がこの世での苦しみや悩みから解放され、極楽浄土で幸せに暮らすことを願う考え方です。信仰者は、念仏や往生願を通じて阿弥陀如来の救済を得ようとします。

この思想は平泉の文化や信仰にも影響を与えました。平泉には多くの仏教寺院があり、浄土思想を中心にして信仰活動が行われました。毛越寺や中尊寺などは、阿弥陀如来の教えを重視した寺院であり、その美しい建築や庭園は多くの人々に感動を与えています。

平泉の浄土思想は、仏教文化の一環として今でも受け継がれ、多くの人々に敬愛されています。

義経最期の地とされる衣川館跡にある高舘義経堂

正解: 4. 藤原泰衡

解説:
源義経が兄の追討を逃れて平泉に身を寄せた後、1189年に4代目泰衡は頼朝の力を恐れ、義経を自害に追い込みました。泰衡は平泉の武将であり、頼朝の命令によって義経を討つことになりました。

この出来事は平泉の歴史上で重要な出来事であり、源義経と藤原泰衡の関係や平泉の政治状況について考える上で注目される出来事です。しかし同年、泰衡は**源頼朝によって滅ぼされ**、平泉に込められた独自の仏教理念が引き継がれることはありませんでしたが、平泉の建造物群については保護されました。

芭蕉句碑「奥の細道　平泉」 （Flickr）

正解: 3. 夏草や 兵（つわもの）どもが 夢の跡

解説:
平泉を訪れた松尾芭蕉が残した俳句は「夏草や 兵（つわもの）どもが 夢の跡」です。この俳句は、平泉の歴史的背景や風景を表現しています。

平泉は、かつて源義経が逃れて身を寄せた場所であり、源氏物語の舞台としても知られています。芭蕉の俳句は、平泉の荘厳な自然や歴史的な遺跡に触発されて生まれたものです。

この俳句は、夏の風景を描きながらも、かつて平泉で戦った兵士たちや彼らの夢という比喩的な表現を用いています。夏の草が成長し、枯れていく様子は、兵士たちの存在が一時的であることを象徴しています。

松尾芭蕉の俳句は、その独特な表現や感性から多くの人々に愛されています。彼の訪れた平泉の風景や歴史を感じさせる俳句は、日本の文化の一部として広く認知されています。