世界遺産「広島平和記念碑（原爆ドーム）」がよくわかる！クイズ10問

B29爆撃機「エノラ・ゲイ」(Wikipedia)

正解:
1. エノラ・ゲイ

解説:
1945年8月6日、アメリカが広島に原爆を投下した爆撃機は「エノラ・ゲイ」という名前でした。この爆撃機はアメリカ陸軍航空軍のB-29型爆撃機であり、広島への原爆投下により数万人以上の犠牲者を出しました。

エノラ・ゲイは、パイロットのポール・ティベッツ大佐によって操縦され、広島市上空で原子爆弾「リトルボーイ」を投下しました。この投下により、広島は壊滅的な被害を受け、多くの人々が命を失いました。

この出来事は、世界史上初めて使用された原子爆弾の投下という重大な出来事であり、広島平和記念公園（原爆ドーム）などの建造物が、その歴史的な証拠として保存されています。

エノラ・ゲイの原爆投下は戦争の悲劇的な出来事であり、核兵器の使用の恐ろしさと破壊力を世界に知らしめました。広島の被爆者やその家族、そして平和を願う人々は、この出来事を忘れずに、核兵器廃絶や平和への取り組みを続けています。

正解: 4. 3000度〜4000度

解説: 原爆投下直後、広島の爆心地周辺では驚異的な高温が発生しました。地表面の温度は約3000度から4000度に達しました。この極めて高い温度は、爆風や放射線とともに広島市内に大きな破壊をもたらしました。

この高温は、核爆発によって放出されたエネルギーが地表面に瞬間的に集中したために生じました。爆心地周辺では、建物や人々が瞬時に灰燼に帰しました。さらに、火災が広がり、市内全体が焼け野原と化しました。

このような高温の環境下では、人々や建物に深刻な被害がもたらされました。熱線による火傷や火災による破壊が広まり、多くの人々が命を失いました。この悲劇的な出来事は、核兵器の恐ろしさと破壊力を世界に知らしめる結果となりました。

正解: 4. 約14万人

解説: 広島市に原爆が投下された後、多くの人々が犠牲となりました。広島市内での死傷者数は非常に高く、年末までに約14万人が亡くなりました。

原爆による被害は、直接の爆風や熱線によるものだけでなく、放射線による長期的な影響もありました。被爆者の中には、爆心地周辺の建物の崩壊や火災によって直接的に死亡した人々だけでなく、放射線による被曝によって後に病気になり、数年後に亡くなった人々も含まれています。

このような大規模な被害は、広島市の人口に対して甚大な影響を与えました。さらに、被爆者だけでなく、被爆による病気や放射線の影響で亡くなった人々の数も含まれています。

広島市の被爆者やその遺族、そして世界中の人々は、この悲劇を忘れず、核兵器廃絶と平和の実現に向けて取り組んでいます。

正解:
4. 建物本体は全壊したが、中央のドーム部分だけは枠組みと外壁を中心に残存したため

解説:
広島の爆心地にある原爆ドームは、原爆投下の際に建物本体は全壊しましたが、中央のドーム部分だけが枠組みと外壁を中心に残存した特異な状態となりました。

この現象は、爆風や熱線の影響によって建物が破壊された結果です。しかし、中央のドーム部分は建物の構造や耐久性によって一部が残存しました。このドーム部分は当時の建築技術の特異な成果であり、広島の被爆の象徴となっています。

原爆ドームは、その後も保存と修復が行われ、現在は広島平和記念公園内にある重要な建造物として世界遺産に登録されています。このドームは、核兵器の恐ろしさと平和への願いを象徴し、広島市民や世界中の人々に平和への思いを伝えています。

正解:
3. 広島県産業奨励館

解説: 原爆ドームは、被曝以前は「広島県産業奨励館」という建物でした。この建物は、広島県の産業振興を目的として建設され、1933年（昭和8年）に改称されました。

広島県産業奨励館は、当時の建築技術やデザインの優れた例として注目されていました。しかし、1945年の原爆投下により、広島市は壊滅的な被害を受けました。その中で、広島県産業奨励館の中央のドーム部分だけが枠組みと外壁を中心に残存しました。

現在、この被爆建造物は「広島平和記念碑（原爆ドーム）」として保存され、広島市の象徴となっています。世界遺産にも登録されており、広島の平和への願いを象徴する存在として多くの人々に知られています。

正解:
4. 1歳で被曝した楮山ヒロ子さんの日記

解説:
原爆ドームが保存されることになったきっかけは、1歳で被曝した楮山ヒロ子さんの日記です。ヒロ子さんは、病床で「あの、いたいたしい、産業奨れい館だけがいつまでもおそるげん爆を世にうったえてくれるだろうか」などと日記に書き遺し（1959年）、被爆による放射線障害が原因とみられる急性白血病のため16歳で亡くなりました。この日記を読んで感銘を受けた平和運動家の河本一郎さんや「広島折鶴の会」が中心となって原爆ドーム保存を求める運動が始まり、1966年（昭和41年）に広島市議会が永久保存することを決議するに至りました。ヒロ子さんの日記は、広島平和記念資料館に所蔵され、今も多くの人々に広島の被爆の実相を伝えています。

1995年3月、文部省は文化財保護法に基づく史跡名勝天然記念物指定基準を改正し、同年6月に原爆ドームを国の史跡に指定しました。これを受けて、日本国政府は同年9月に原爆ドームを世界遺産に推薦しました。原爆ドームの登録審議は、1996年12月にメキシコのメリダ市で開催された第20回世界遺産委員会において行われました。このとき、アメリカ合衆国は原爆ドームの登録に強く反対しました。また、中華人民共和国は「日本の戦争加害を否定する人々に利用されるおそれがある」として審議を棄権したが、両国とも登録決議には反対しませんでした。審議の結果、原爆ドームは文化遺産として登録されたのです。

正解:
2. 丹下健三

解説:
広島平和記念公園は、原爆ドームを中心とした広島市内の広大な公園であり、戦争の悲惨さと平和の尊さを伝える場所として知られています。この公園の設計者は、世界的に有名な建築家である丹下健三氏です。

丹下健三氏は、戦後の日本を代表する建築家の一人であり、広島平和記念公園のデザインにおいてもその才能を発揮しました。彼は公園内の各施設やモニュメントの配置を計画し、緑豊かな景観と調和したデザインを実現しました。

広島平和記念公園は、丹下氏の設計によって広島の原爆被害を象徴する場所として整備され、多くの人々が訪れる場所となっています。公園内には原爆ドームをはじめとする様々なモニュメントや記念碑があり、被爆の実相や平和への願いを伝えています。

正解:
4. 被曝者の佐々木禎子さんが病気回復を祈って折り鶴を作り続けたこと

解説:
折り鶴が平和と結びつけて考えられるようになったきっかけは、被爆者の佐々木禎子さんが病気回復を祈って折り鶴を作り続けたことです。佐々木さんは被爆により被爆症を発症し、紙一枚で願い事を叶えるという「千羽鶴伝説」になぞらえて折り鶴を作り始めました。けれども、8か月の闘病生活の後、昭和30年（1955年）10月25日に亡くなりました。

禎子さんの死をきっかけに、原爆で亡くなった子どもたちの霊を慰め平和を築くための像をつくろうという運動が始まり、全国からの募金で平和記念公園内に「原爆の子の像」が完成しました。その後この話は世界に広がり、今も「原爆の子の像」には日本国内をはじめ世界各国から折り鶴が捧げられ、その数は年間約1千万羽、重さにして約10トンにも達します。折り鶴は現在でも広島を代表する平和の象徴として世界中で広く知られており、多くの人々が平和への願いを込めて折り鶴を作っています。

正解: 4. 登録基準(vi)

解説: 広島平和記念碑が世界遺産に選定されたときの登録基準は、「登録基準(vi)」でした。登録基準(vi)は「人類の歴史的・文化的な伝統と文化財の保存に寄与し、平和の理念を体現する場所」という意味を持ちます。

広島平和記念碑は、原爆の被害と戦争の悲惨さを伝える記念碑として、平和の象徴とされています。この記念碑は、被爆した広島市の中心部に位置し、被爆した建物である原爆ドームを含む広島平和記念公園内にあります。

広島平和記念碑の登録基準(vi)では、歴史的・文化的な価値があり、核兵器の惨状の記憶を今に伝え、世界平和の理念を体現していることが評価されました。この記念碑は、被爆者の悲劇を伝えるだけでなく、平和への願いや戦争の悲惨さを伝える役割も果たしています。いわゆる「負の世界遺産」は、どれも登録基準(vi)が認定されているという点で共通しています。

正解:
3. 被爆者に思いを重ねて

解説:
2016年5月27日、広島平和記念公園を訪れたオバマ米大統領は、自ら作った折り鶴を被曝3世の子供達に贈りました。これは被爆者への深い思いから行われたものだったと想像されます。

折り鶴は広島を象徴する平和のシンボルとして知られており、被爆者の願いや平和への思いを表現する手段として広く使われています。オバマ大統領は、被爆者の苦しみや平和への願いを理解し、被爆者の子供たちへの思いを込めて折り鶴を贈ったのです。

この行為は、世界に向けて広島の被爆の実相や平和への重要性を訴えるものとなりました。また、オバマ大統領の訪問は歴史的な出来事であり、広島市民や被爆者にとっても大きな意義を持つものとなりました。