世界遺産「ポンペイ、エルコラーノの遺跡」についてのクイズ10問

解説:
西暦79年、古代都市ポンペイが突然消滅した原因は、ヴェスヴィオス火山の噴火に伴う大量の火砕流と火山灰でした。ヴェスヴィオス火山は当時活火山であり、その噴火によってポンペイは壊滅的な被害を受けました。火砕流は高温の溶岩、ガス、火山灰が高速で流下する現象であり、ポンペイにはこれが押し寄せました。火山灰もまた、都市を覆い尽くすほどの大量に降り注ぎ、建物や道路を埋め尽くしました。この突然の災害により、ポンペイは廃墟と化し、人々は避難することができませんでした。この噴火は、古代都市ポンペイの状態を保存する一方で、都市の歴史や生活風景を現代に伝える貴重な遺跡となりました。

ナポリ（ポンペイ近くにある大都市）

解説:
ヴェスヴィオス大噴火前のポンペイは、ローマの傘下にあり、海洋貿易の中継基地として発展していました。ポンペイはティレニア海に近い位置にあり、海洋貿易において重要な拠点となっていました。この都市は多くの商人や船乗りが行き交い、異なる地域間の貿易を促進していました。ポンペイの市街地には商業施設や倉庫、港湾施設などが存在し、活気と繁栄を享受していたのです。ヴェスヴィオス大噴火によってポンペイは壊滅的な被害を受けましたが、その前の時代には海洋貿易の中心地として栄えていたことがわかります。

解説:
ポンペイ遺跡の発掘が本格的に始まったのは、カルロス3世によって1748年からです。カルロス3世はスペイン国王であり、ポンペイの遺跡の保存と研究を重視しました。彼はポンペイ遺跡の発掘を命じ、遺跡の保護と復元を進めました。これによってポンペイの遺跡は世界的に有名な観光地となり、古代ローマの生活や文化を学ぶ貴重な資料となりました。

解説:
ポンペイの人、動物、生活が噴火当時のままに残され、再現されたのは、大噴火の火砕流で一瞬にして人命が奪われ、直後に降り積もった火山灰が当時の姿をそのまま保存する役割を果たしたからです。ヴェスヴィオス火山の噴火によって、火砕流が高速でポンペイを襲いました。この火砕流は高温の溶岩、ガス、火山灰からなり、瞬時に人々や動物を取り巻いていた状況を凍結させました。その後、直後に降り積もった火山灰が都市を覆い尽くし、ポンペイの建物や道路、日常の生活の様子を保存しました。19世紀になると、石膏鋳型法が開発され、火山灰の沈殿によって空洞になった遺体に石膏を流し込むことによって、犠牲者たちの最期の姿を生々しく再現することができるようになりました。その結果、ポンペイの遺跡からは当時の人々や動物、生活の様子を再現し、詳細に推測することができるようになったのです。

解説:
ポンペイ遺跡の保存に画期的な進歩をもたらした石膏鋳型法を開発したのは、ジュゼッペ・フィオレッリです。フィオレッリは19世紀にイタリアの考古学者として活躍し、ポンペイ遺跡の研究に尽力しました。彼は石膏鋳型法と呼ばれる技術を開発し、火山灰によって形成された空洞に石膏を流し込むことで、犠牲者の最期の姿を再現することができるようになりました。この技術のおかげで、ポンペイの遺跡からは当時の人々や動物、生活の様子を詳細に推測することができるようになりました。

秘儀荘（ひぎそう）」のフレスコ画

解説:
ポンペイ遺跡で1910年に発掘された、比類ない美しさの壁画のある別荘跡は「秘儀荘（ひぎそう）」と呼ばれています。この別荘はポンペイで最も壮麗な壁画が残されている場所として知られています。秘儀荘の壁画は美しい色彩や緻密な描写で、古代ローマの芸術の素晴らしさを伝えています。この別荘は豪華な宴会や儀式が行われる場所として使用されていたことがわかっており、その壁画はそのような催し物を彩るために描かれたものと考えられています。秘儀荘はポンペイ遺跡の中でも特に注目される場所であり、古代ローマの豪華な生活や芸術についての貴重な情報を提供しています。

横断歩道のある美しい石畳の街路（Flickrより）

解説:
古代ポンペイの街並みが美しい代表例として選ばれるのは、幹線道路が石畳で馬車のための轍があり、横断歩道や車止めまで整備されていることです。ポンペイの街は古代ローマの都市計画の特徴を持っており、交通や街路の整備が行われていました。幹線道路は石畳で舗装され、馬車のための轍が作られています。また、横断歩道や車止めも整備されており、交通の安全性や流れを考慮した設計が行われていました。これらの整備された街路は、古代ポンペイが約2000年も前の遺跡であることを忘れさせるほど美しい街並みを作り出しています。

「アレクサンドロス3世」モザイク画の拡大図（全体図はページ下の絵画）

解説:
ポンペイ遺跡のファウノの家から発見された「アレクサンドロス大王のモザイク」は、現在ナポリ国立考古学博物館に収蔵されています。このモザイクは、ファウノの家の床に敷かれていたもので、アレクサンドロス大王の戦いを描いたものであり、その美しさと歴史的な価値から注目を浴びています。ナポリ国立考古学博物館は、ポンペイ遺跡から発掘された多くの遺物や美術品を所蔵しており、古代ローマの文化や歴史を伝える重要な施設となっています。

イッソスの戦い：アレクサンドロス大王の東方遠征中に生じた戦いの中で2番目に大きな戦いであり、マケドニアの軍はペルシャ軍を打ち負かした。このモザイク画はポンペイの遺跡で発見され、現在は国立ナポリ考古学博物館に展示されている。

解説:
ポンペイと同じく噴火で壊滅的被害を受けたエルコラーノにあるローマ遺跡（ヘルクラネウム）がポンペイと違う重要な点は、木や紙で燃えたり腐ったりせずに残ったものが出土していることです。エルコラーノの遺跡は、噴火によって遺体や建物が高温で包まれたため、木や紙などの有機物が炭化せずに残ることがあります。これにより、古代の木製家具や書物、食品などが保存されており、古代ローマの生活や文化を詳しく知ることができます。エルコラーノの遺跡はポンペイと同じく貴重な遺産であり、古代ローマの繁栄と崩壊の歴史を伝える重要な証拠となっています。

ポンペイ遺跡の落書き(Flickrより）

解説:
古代ポンペイの時代に生きていた人びとの肉声を通して、往時の生き生きとした民衆の姿を蘇らせてくれる遺品は、石や壁に刻まれた広告や落書きです。ポンペイ遺跡では、建物や壁、道路などにさまざまな広告や落書きが残されており、古代の人々が日常的に使用していた商品やサービス、政治的なメッセージ、個人の感情などが刻まれています。これらの石や壁に刻まれた広告や落書きは、古代ポンペイの街の賑やかさや人々の生活の一端を垣間見ることができる貴重な証拠となっています。このような遺品は、古代ローマの社会や文化の理解に大きく貢献しています。