激音化とは
「激音化(けきおんか/거센소리되기)」は、ㅎ(ヒウッ)に影響されて、もとの子音が“息を強く出す音(激音:ㅋ ㅌ ㅍ ㅊ)に変わる現象のことです。ポイントだけ先に:
- 基本対応: ㄱ→ㅋ/ㄷ→ㅌ/ㅂ→ㅍ/ㅈ→ㅊ/ㅅ→ㅌ(※ㅅもㅌになります)
- 起こりやすい位置: ① パッチム + ㅎ-(後ろの音節がㅎさてはじまる) ② -ㅎパッチム + 平音(後ろがㄱ・ㄷ・ㅂ・ㅈ など)
- ㅎ 自体はしばしば脱落して、後ろの子音を激音化させます。
具体ルール
1) パッチム(終声)が ㄱ/ㄷ/ㅂ/ㅈ/ㅅ + 次音節が ㅎ-
- 後ろの ㅎ に引っぱられて、パッチム側の子音が激音になります。
- 例:ㄱ→ㅋ、ㄷ→ㅌ、ㅂ→ㅍ、ㅈ→ㅊ、ㅅ→ㅌ
2) 前の音節が ㅎ パッチム + 次音節が 平音(ㄱ/ㄷ/ㅂ/ㅈ など)
- ㅎ が消えて、次の平音が激音(ㅋ/ㅌ/ㅍ/ㅊ)になります。
3) ㅎ + ㅎ
- 連続する ㅎ は一本の [ㅎ] として発音される(重ならない)ことが多いです。
参考:例外
- ㅎ の前後が鼻音(ㄴ/ㅁ)だと、ㅎ が落ちて鼻音化が優先し、激音化が目立たないことがあります(例:좋네요→[존네요])。
- ㅎ の後ろが母音だけの場合(좋아 등)は、ㅎ が脱落し、激音化が起きないことも多いです。
代表的な例
- 축하 → [추카](チュカ)=「お祝い/おめでとう」 例:축하해요(チュカヘヨ)=「おめでとうございます」
- 입학 → [이팍](イパク)=「入学」
- 합하다 → [하파다](ハパダ)=「合する/合わせる」
- 북한 → [부칸](ブカン)=「北朝鮮」
- 국회 → [구쾨]/[구쿼](グケ/グクェに近い)=「国会」 ※ ㄱ+ㅎ→ㅋ の影響で強くなる(実際の母音は地域・話者で揺れあり)
- 못하다 → [모타다](モタダ)=「下手だ/できない」
- 같이 → [가치](カチ)=「一緒に」
- 놓치다 → [노치다](ノチダ)=「(機会などを)逃す」
- 맞히다 → [마치다](マチダ)=「(答えを)当てる/(注射を)打つ」
- 좋다 → [조타](チョタ)=「良い」
- 놓고 → [노코](ノコ)=「置いて(から)/〜しておいて」
- 많다 → [만타](マンタ)=「多い」 (二重パッチム ㄶ=ㄴ+ㅎ の ㅎ が次の ㄷ をㅌに)
- 옷하고 → [오타고](オタゴ)=「服と〜」 (ㅅ + ㅎ → ㅌ)
- 좋지 → [조치](チョチ)=「良いよね?」
表示例(分解して見ると理解しやすい)
- 입학:입(ㅂ パッチム) + 학(ㅎ 初声) → ㅂ + ㅎ ⇒ ㅍ → [이팍](イパク)
- 같이:같(ㅌパッチム化する環境) + 이 → [가치](カチ)
- 좋다:좋(ㅎパッチム) + 다(ㄷ) → ㅎ 脱落+ㄷ ⇒ ㅌ → [조타](チョタ)
ミニ対応表(覚え方)
影響を受ける平音 | 激音化後 |
---|---|
ㄱ | ㅋ |
ㄷ | ㅌ |
ㅂ | ㅍ |
ㅈ | ㅊ |
ㅅ | ㅌ |
- トリガーは ㅎ(前のパッチム ㅎ/後ろの初声 ㅎ)
- ㅎ は消えやすいが、「消える代わりに相手を強くする」と覚えると楽です
仕上げのコツ
- 綴り通りに読まない箇所(特に合成語・語基+語尾の境目)で起きやすい
- 辞書形→連体形・語幹+語尾へのつなぎ目で要注意
- 鼻音(ㄴ/ㅁ)が絡むと鼻音化が優先され、激音化が弱まることがある
激音化に関するクイズ5問
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