新政府への反乱のことがよくわかる！クイズ5問

正解：4

解説

明治政府は、学制（1872年）、徴兵令（1873年）、地租改正（1873年）などの近代化政策を短期間に実施しました。これらは国家建設に不可欠でしたが、農村社会には急激な負担増として受け止められました。地租改正では年貢を金納の地租へ切り替え、地価の3％を現金で納めることになりました。貨幣経済への適応が遅れた地域では、現金収入の確保が難しく、地価査定への不信も重なって不満が高まりました。徴兵令に対しては、家族労働力の喪失や「血税」をめぐる流言から各地で「血税一揆」が発生しました。学制に対しても、学費や通学に伴う費用負担が重く、学校や戸長役場を襲う騒擾が起こりました。これらの反発は総じて農民一揆という形で噴出し、政府は地租を1877年に2.5％へ引き下げるなどの修正を余儀なくされました。農民一揆は生活防衛の色彩が濃い運動でしたが、村々の組織化を促し、のちの自由民権運動の土壌にもなったと評価されています。

正解：3
解説
1876（明治9）年、明治政府は太政官布告による廃刀令を出し、軍人・警察官以外の帯刀を禁じました。これは武士（士族）身分の象徴を否定する措置であり、同年には秩禄処分によって俸禄（家禄）の支給も金禄公債への切替を経て実質的に打ち切られました。これらの改革は中央集権的な近代国家建設には不可欠でしたが、生活基盤を失った多くの士族にとっては身分的・経済的打撃となり、不満が各地で爆発しました。
その結果、1876年秋には熊本神風連の乱、秋月の乱、萩の乱などの士族反乱が相次いで発生し、翌1877年の西南戦争へと発展します。政府は徴兵令によって整備された常備軍と警察力でこれらを鎮圧し、旧来の武士層に依拠しない国家体制への転換を一層進めました。なお、誤りの選択肢の血税一揆や学制反対一揆は主として1873年前後に農民層が起こしたもので、自由民権運動は選挙・国会開設を求める政治運動であって、1876年の一連の武力蜂起を直接指す語ではありません。

【正解】3
解説
西南戦争は、1877年（明治10）2月に鹿児島で勃発した、近代日本最大規模の内戦です。廃刀令や秩禄処分（俸禄の金禄公債への切り替え）などの近代化政策で特権と生計基盤を失った不平士族の不満が高まり、鹿児島の私学校勢力を背景に西郷隆盛が擁立されて挙兵へと至りました。政府は近代的な徴兵制・洋式装備を整えた官軍を動員し、熊本城攻防や田原坂の戦いなど九州各地で激戦が展開されます。
戦いは同年9月の城山の戦いで西郷が最期を迎え、士族側の敗北で終結しました。これにより、武士勢力による大規模反乱は実質的に終焉し、中央集権的な近代国家体制の確立が大きく前進します。一方で、戦費の増大は財政を圧迫し、その後の緊縮・財政再建（いわゆる松方財政）へ向かう一因ともなりました。西南戦争は、近世から近代への断絶を象徴する転換点として、日本史上きわめて重要な出来事であると評価されます。