シェイクスピアのことがよくわかる！クイズ10問

正解：2

解説：

ウィリアム・シェイクスピアは1564年4月、イングランド中部の町ストラットフォード・アポン・エイヴォンで生まれました。この町はイングランドのウォリックシャー州にあり、エイヴォン川沿いに位置しています。彼の生家は現在も観光名所として保存されており、毎年多くの訪問者が彼の生涯や作品について学びに訪れます。

シェイクスピアはこの地で幼少期を過ごし、後にロンドンで劇作家・俳優として活躍しますが、生涯の終盤には再びストラットフォードに戻り、1616年にこの地で亡くなりました。この町は彼の生誕地であると同時に、彼の人生の始まりと終わりを見届けた場所でもあります。

正解：2

解説：

ウィリアム・シェイクスピアは1582年、18歳のときにアン・ハサウェイと結婚しました。アンは当時26歳で、シェイクスピアより8歳年上でした。この年齢差と、当時としては若年での結婚という点からも注目される出来事です。

結婚の申請書には、通常必要な3度の教会での告知（婚姻告示）が省略され、特別な許可が与えられていたことが記録に残っています。これはアンがすでに妊娠していた可能性が高く、実際に結婚から6か月後には長女スザンナが誕生しています。

当時のイングランドでは、男性の結婚年齢として18歳はかなり若い部類に入り、通常は20代前半から中盤で結婚するのが一般的でした。そのため、シェイクスピアの早婚は異例とされ、彼の人生や作品に影響を与えた要素のひとつとも言われています。

彼の家庭生活についての記録はあまり多く残されていませんが、結婚後しばらくしてロンドンで劇作家としての活動を始め、長い間家族と離れて暮らしていたことも知られています。

正解：1

解説：

1598年、シェイクスピアの劇団「ロンドン宮内大臣一座（後の王室一座）」は、テムズ川南岸のサザーク地区に**グローブ座（The Globe Theatre）**を建設しました。この劇場は、シェイクスピアの数多くの作品が初演された場所として非常に有名です。

劇場建設のきっかけは、以前使っていた「シアター（The Theatre）」という劇場の土地をめぐるトラブルでした。劇団のメンバーたちは「シアター」を解体し、その木材を使ってグローブ座を建て直したと言われています。

グローブ座は円形または多角形の木造建築で、屋根のない中庭と、ステージを取り囲むように3層の観客席がありました。演劇は主に昼間に行われ、観客は身分や階級を問わず集まりました。安い料金で立ち見ができる「地面席（グラウンドリング）」は、庶民の間で人気でした。

1613年、劇場での上演中に大砲の演出によって火災が発生し、グローブ座は一度焼失しますが、翌年には再建されています。現在では、当時の設計に基づいた「新グローブ座（Shakespeare's Globe）」がロンドンに復元され、世界中から多くの観光客や演劇ファンが訪れる名所となっています。

正解：2

解説：

シェイクスピアの処女作とされるのは**『ヘンリー6世』**です。この作品は3部作で構成される歴史劇で、彼が劇作家としてのキャリアをスタートさせた1590年頃に執筆されたと考えられています。『ヘンリー6世』はイングランド王ヘンリー6世の治世と、その時代の内戦（薔薇戦争）を描いており、政治的陰謀、権力闘争、戦争の混乱といったテーマを通して、シェイクスピアの後の作品にも見られる人間の本質や権力の不安定さを探求しています。

当時のロンドンでは、観客が血なまぐさい戦いや激しい対立を好んだため、『ヘンリー6世』は大ヒットとなり、若きシェイクスピアの名を一気に世に広めました。この成功が、彼の後の傑作群（『ハムレット』『マクベス』『リア王』など）へとつながっていきます。文学史的にも重要な意味を持つ作品です。

正解：3

解説：

シェイクスピア作品の作者が実はウィリアム・シェイクスピア本人ではなく、別人だったとする「シェイクスピア別人説」は長年にわたり議論されてきました。その中で有力な候補とされているのが、「オクスフォード伯爵（エドワード・ド・ヴィア）」です。

オックスフォード伯爵は16世紀後半のイングランドの貴族で、優れた教育を受け、詩人・劇作家としても知られていました。彼の生涯には、多くのシェイクスピア作品に登場するような上流階級の世界や宮廷の内幕に詳しい人物であったことが反映されていると主張する研究者もいます。

また、作品の中で使用される高度な語彙、法律や外交、古典文学への深い造詣などが、一般的な田舎出身の劇作家（とされる）ウィリアム・シェイクスピアには不釣り合いだとする意見もあります。さらに、オックスフォード伯爵が亡くなった1604年以前に、主要なシェイクスピア作品の草稿がすでにあった可能性が指摘されている点も、別人説を支える要素です。

ただし、この説はあくまで仮説であり、学術的なコンセンサスが得られているわけではありません。現在でも多くの学者は、ウィリアム・シェイクスピア本人が作者であると考えています。

参考文献：

河井祥一郎著『謎ときシェイクスピア』新潮選書 2008年

正解

2

解説

ウィリアム・シェイクスピアは、16世紀から17世紀初頭のイングランドで活躍した劇作家・詩人で、世界文学史において最も重要な作家の一人とされています。彼が生涯にわたって書いた戯曲は、現在一般的に全37作とされています。

この37作には、悲劇（例：『ハムレット』『マクベス』『オセロ』）、喜劇（例：『夏の夜の夢』『十二夜』『ヴェニスの商人』）、**歴史劇（例：『リチャード三世』『ヘンリー五世』）**が含まれ、それぞれが文学的にも演劇的にも高く評価されています。

ただし、シェイクスピアの作品数については時代とともに若干の変動があります。一部の作品は共作であったり、真作か疑問視されているものもありますが、一般的な学術的合意では単独または主にシェイクスピアによって書かれた戯曲の数は37作とされています。

彼の作品は400年以上経った今でも世界中で上演され続け、演劇や文学、映画、さらには日常会話に至るまで多大な影響を与えています。

正解：2

解説：

1603年にエリザベス1世が死去し、スコットランド王ジェームズ6世がイングランド王ジェームズ1世として即位したことにより、シェイクスピアと彼の劇団にも大きな変化が訪れました。それまで「宮内大臣一座（The Lord Chamberlain’s Men）」として活動していたシェイクスピアの劇団は、新たな国王ジェームズ1世から**公式に庇護（パトロン）**を受け、「国王一座（The King’s Men）」と名乗ることになりました。

この王室の後援により、劇団は非常に高い名声と安定した地位を獲得しました。国王一座となったことで、グローブ座での上演だけでなく、王宮でも定期的に公演を行うようになります。これによりシェイクスピアの作品はさらに広く知られるようになり、彼自身の名声も高まりました。

この時代は、シェイクスピアが『マクベス』『リア王』『オセロ』などの傑作を次々に生み出した黄金期でもあり、国王一座への昇格は、彼の創作活動にとっても大きな後押しとなりました。

正解：4

解説：

シェイクスピアの作品に使われている英語は**「初期近代英語（Early Modern English）」と呼ばれます。これはおおよそ1500年から1700年ごろ**まで使われた英語で、現代英語の一歩手前の段階にあたります。

この時期は英語が急激に変化・発展した時代であり、スペルや文法、発音などが現在の形に近づいていきました。印刷技術の発展や、文法・語彙の標準化が進んだことで、英語がより広範囲に通用するようになったのもこの時代です。

シェイクスピアはこの言語の移行期に活躍し、豊かな語彙や新しい表現方法を多く生み出しました。彼は英語に約1700語もの新語を導入したとも言われ、その表現力と創造性は、後の英文学に大きな影響を与えました。

「初期近代英語」は、現代英語にかなり近いものの、語順や単語の使い方、文法に独特な点があり、シェイクスピアのテキストを読む際には少しの知識と慣れが必要です。しかし、その文体やリズムは今なお多くの人々を魅了し続けています。

正解：2

解説：

ウィリアム・シェイクスピアは1564年4月23日に生まれ、1616年4月23日に亡くなりました。ちょうど52歳の誕生日に亡くなったとされています。彼の死は、当時としては比較的長生きといえる年齢でした。

シェイクスピアの晩年はロンドンでの劇作活動を終え、故郷ストラットフォード・アポン・エイヴォンに戻って静かに暮らしていました。彼の死因については明確な記録が残っていませんが、急性の病気で亡くなった可能性があると考えられています。

正解：2

解説：

ウィリアム・シェイクスピアの遺体は、彼の故郷であるストラットフォード・アポン・エイヴォンにある**ホーリー・トリニティ教会（Holy Trinity Church）**に埋葬されています。この教会は彼が洗礼を受けた場所でもあり、人生の始まりと終わりを迎えたゆかりの地です。

彼の墓は教会内の祭壇近くにあり、墓碑には次のような有名な碑文が刻まれています：

これは、遺体を移動させることを防ぐために書かれたとされており、シェイクスピアの遺体は現在もそのままの場所に安置されています。

なお、イギリスの偉人たちが多く埋葬されているロンドンのウェストミンスター寺院にも、彼を称える記念碑（詩人のコーナー）がありますが、実際の遺体はそこにはなく、彼の望んだ通りストラットフォードに眠り続けています。

Churh of the Holy Trinityのシェイクスピアの墓碑