世界遺産「ヤズドの歴史都市」で水を供給する仕組みは何と呼ばれますか？

正解：1. カナート

解説： ヤズド市はイランの砂漠地帯に位置し、歴史的に重要なスパイス街道やシルクロードに近い場所にあります。この都市は、砂漠という限られた資源を賢く利用し生き延びてきた証拠として、その独特の水供給システムで知られています。このシステムは「カナート」と呼ばれ、地下水を長距離にわたって地表に導き、都市に水を供給します。

カナートは、地下に掘られたトンネルと井戸からなるシステムで、山岳地帯や高地の地下水を都市や農地に運ぶために使われます。ヤズドでは、このカナートが都市の各地区に水を供給し、共同センターで管理されています。このシステムにより、ヤズドは砂漠地帯でも安定した水供給を実現し、快適な生活環境を維持してきました。

また、ヤズドの建物は土で造られており、丸天井やドームを備えた独特の建築スタイルが特徴です。住宅には地下に中庭があり、地下街にも通じています。風除けや中庭、厚い土壁は、砂漠の厳しい気候に対して快適な微気候を作り出しています。部分的に覆われた路地や公共広場、中庭などは、都市の質を高める要素となっています。

ヤズドは、伝統的な土の都市を破壊した近代化の流れから逃れ、多くの伝統的な地区やカナート制度、伝統的な家屋、バザール、ハマム（公衆浴場）、貯水池、モスク、シナゴーグ、ゾロアスター教寺院、歴史的なドラット・アバードの庭園などが今日も残っています。この都市では、イスラム教、ユダヤ教、ゾロアスター教の3つの宗教が平和的に共存している点も注目すべき特徴です。