世界遺産「古代カルタゴ都市ケルクアンとそのネクロポリス」が壊滅した原因は、いつ頃のどんな出来事でしたか？

正解: 3. 紀元前3世紀の第一次ポエニ戦争

解説

ケルクアンはフェニキア人、すなわちカルタゴ人によって建設された都市で、約400年間存在しました。しかし、この都市が壊滅したのは紀元前3世紀の第一次ポエニ戦争の期間中のことです。第一次ポエニ戦争（紀元前264年 - 紀元前241年）は、ローマとカルタゴの間で行われた大規模な戦争であり、地中海地域の支配を巡って激しい戦闘が繰り広げられました。

ケルクアンはこの戦争の際に放棄され、ローマ人によって再建されることはありませんでした。これにより、ケルクアンは古代カルタゴの都市計画と建築の最良の遺跡として、今日に至るまでその姿を保っています。発掘調査によって、ケルクアンの遺跡が紀元前4世紀から紀元前3世紀にかけてのものであることが明らかになっており、都市計画や建築技術について貴重な情報が得られています。

特に興味深いのは、ケルクアンが放棄された後、一度も人が住むことがなかったため、非常に保存状態が良いことです。このため、考古学者は当時の都市生活や建築技術について詳細な研究を行うことができ、フェニキア＝プニキア人の文化に関する貴重な知見を得ることができました。

第一次ポエニ戦争によって壊滅したケルクアンは、現在では地中海地域のフェニキア＝プニキア人の遺跡の中で最も重要なものの一つとされており、その歴史的価値は非常に高いと評価されています。