世界遺産「泰山」で、歴代の皇帝が封禅を行い、泰山府君を祀った建物はなんと呼ばれますか？

正解

1. 岱廟

解説

岱廟（たいびょう）は、中華人民共和国山東省泰安市の泰山山麓に位置する壮大な建築物です。岱廟は「東岳大帝」（同「泰山府君」）を祀る場所であり、歴代の皇帝が封禅の儀式を行ったことで知られています。泰山は道教の聖地であり、五岳の一つとして非常に崇高な地位を持っています。

岱廟は中国三大建築の一つに数えられ、その壮大さと歴史的価値から多くの観光客が訪れます。現在、岱廟は泰安博物館として公開されており、封禅の儀式を記念して彫られた多くの碑文が展示されています。有名な碑文の一つに、秦の始皇帝が泰山を訪れた際に李斯が刻んだものがあります。

岱廟の内部には「東岳大帝啓蹕回鑾図」と呼ばれる全長62メートルの壁画があり、東岳大帝の出巡から帰還までの場面が描かれています。この壁画はその歴史的価値と芸術的価値から非常に高く評価されています。

泰山と岱廟の歴史的背景と儀式の重要性は、封禅が中国古代における天子の正当性を示す重要な儀式であったことに起因します。封禅の儀式は天と地を結びつけ、皇帝の統治権を神聖化するために行われました。その中心地である岱廟は、歴代皇帝の権威を象徴する場所としての役割を果たしてきました。