松尾芭蕉のことがよくわかる！クイズ10問

伊賀にある俳聖殿

正解は番号1の「伊賀国上野（現在の三重県伊賀市）」です。

解説： 松尾芭蕉は伊賀国上野（現在の三重県伊賀市）出身であり、俳諧の世界で活躍しました。伊賀国は古くから忍者の発祥地として知られており、芭蕉の出身地もその地域に位置しています。芭蕉は俳諧の道に進む前には武士の家に生まれましたが、後に俳諧の名人として多くの名作を残しました。

伊賀国上野は自然豊かな地域であり、芭蕉の俳句にもその風景や季節感が反映されています。彼の作品には、自然の美や人間の営みが織り込まれており、その詩情は多くの人々に愛されています。芭蕉の住まいは江戸でしたが、ふるさとの伊賀に頻繁に帰郷していました。

正解は番号3の「武士」です。

解説： 松尾芭蕉は江戸時代の俳諧師であり、俳諧の名人として知られています。しかし、芭蕉自身の出自については武士の家に生まれたとされています。武士の家庭で生まれ育った芭蕉が俳諧の道に進んだのは、彼自身の才能と情熱によるものでした。武士の出身である芭蕉が俳諧の世界で成功し、多くの名作を残したことは、その才能と努力の賜物です。

ただし、芭蕉は俳諧宗匠となってからも、武士の生まれを矜持とし、品性を重んじました。意識としては、生涯武士だったと言っても良いでしょう。

正解は番号4の「貝おほひ」です。

解説： 江戸に出た芭蕉が出版した処女作は「貝おほひ」です。この作品は俳諧の句集であり、俳句の魅力を存分に詰め込んだものです。芭蕉の詩才と独自の視点が存分に発揮されており、多くの人々に愛されています。

「貝おほひ」という題名は、貝の殻を意味する言葉です。芭蕉は自然や季節感を大切にし、その中で人間の営みや感情を描きました。この句集は芭蕉の俳句の基礎となり、その後の作品にも影響を与えました。

芭蕉の「貝おほひ」は、俳諧の世界で大きな成功を収めた作品であり、彼の名声を確立する一助となりました。

正解は番号3の「杉風、河合曾良などのサポーター」です。

解説： 芭蕉が深川への隠棲生活を始める際、彼を援助したのは杉風や河合曾良などのサポーターたちでした。彼らは芭蕉を支えるために様々な形で協力し、彼の隠棲生活を可能にしました。

杉風は日本橋の魚問屋で幕府出入りの御用商人でした。河合曾良は『奥の細道』の旅の同行者として芭蕉をサポートしました。彼らの支援によって、芭蕉は俳諧の道に専念することができました。

芭蕉の深川での隠棲生活は、彼の最も創造的な時期の一つであり、多くの優れた俳句を生み出しました。彼の作品は後世に多大な影響を与え、今なお多くの人々に愛されています。

正解は番号2の「野ざらし紀行」です。

解説： 「野ざらし紀行」とは、芭蕉が貞享元年（1684年）8月に東海道を西へ向かい、伊賀・大和・吉野・山城・美濃・尾張・甲斐を廻りました。再び伊賀に入って越年すると、木曽・甲斐を経て江戸に戻ったのは貞享2年（1685年）4月になりました。紀行の名は、出発の際に詠まれた「野ざらしを心に風のしむ身かな」に由来します。

正解は番号2の「古池や蛙飛びこむ水の音」です。

解説： 「古池や蛙飛びこむ水の音」は、芭蕉が野ざらし紀行から帰った後、貞享3年（1686年）の春に芭蕉庵で催した発句会で詠んだ有名な句です。この句は、古い池の中にカエルが飛び込む音を詠んだものであり、芭蕉の代表作の一つとして知られています。

和歌や連歌の世界では「鳴く」ところに注意が及ぶ蛙の「飛ぶ」点に着目し、それを「動き」ではなく「静寂」を引き立てるために用いる詩情性は過去にない画期的なもので、芭蕉風（蕉風）俳諧を象徴する作品となりました。

正解は番号1の「500回忌を迎えた西行の遺跡を辿ること」です。

解説： 元禄2年（1689年）の3月27日、芭蕉は弟子の曾良を連れて『おくのほそ道』の旅に出発しました。この旅行の主な目的は、西行法師の500回忌を迎えた遺跡を辿ることでした。西行法師は平安時代の歌人であり、芭蕉は彼の詩才と生涯に感銘を受けていました。

芭蕉の旅は、自然の美を感じるだけでなく、俳諧の才能を磨くためにも重要なものでした。彼は旅先で多くの名句を詠み、後にこれらの句が『おくのほそ道』としてまとめられました。

芭蕉の『おくのほそ道』は、現在でも俳句の教材として広く読まれています。彼の旅は日本の文化に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

正解は番号2の「平泉」です。

中尊寺の芭蕉像

解説： 芭蕉が「夏草や兵どもが夢の跡」と詠んだのは、平泉です。栄華を誇った奥州藤原氏が三代で滅亡し、かつての栄華を偲ばせるものはわずかに大門の跡のみだというはかなさを歌った俳諧です。

この句は、戦いが終わり平和が訪れた後の風景を描いています。夏の草が茂り、かつての戦士たちの存在が夢の跡として残る光景を表現しています。芭蕉の句は、その短い一文の中に多くの感情や思いを込められており、多くの人々に深い印象を与えました。

平泉は現在も多くの観光客や歴史愛好家が訪れる場所であり、芭蕉の句もその魅力の一つとして広く知られています。

正解は番号3の「山形県・立石寺」です。

解説： 芭蕉が詠んだ「閑さや岩にしみ入る蝉の声」は、山形県の立石寺で作られました。立石寺は芭蕉が訪れた場所の一つであり、彼の俳句の名作が生まれた場所です。

この句は、夏の静けさと蝉の声が岩に染み込む光景を描いています。芭蕉は自然の美しさとその一瞬の感動を詩に込めることで、多くの人々の心を打ちました。

立石寺は現在でも芭蕉ゆかりの地として多くの人々に訪れられており、芭蕉の句もその魅力の一つとして広く知られています。

正解は番号4の「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」です。

解説： 芭蕉が詠んだ最後の俳句は「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」です。この句は、芭蕉の旅の疲れや孤独を表現したものであり、彼の俳句の中でも特に印象的な作品とされています。

この句は、芭蕉が最後の旅に出かける直前に詠まれました。彼は病気を抱えながらも、俳句の道を追い求め続けました。この句は、芭蕉の俳句人生の集大成とも言えるものであり、彼の哲学と詩情が凝縮された作品です。

芭蕉の俳句は、その独特な表現や感性が多くの人々に愛され、現代でも多くの俳人や文学愛好家に影響を与えています。

参考文献：

田中善信著『芭蕉』（2010 中公新書）
北村純一著『伊賀の人・松尾芭蕉』（2022 文春新書）
山本健吉著『奥の細道』（2006 世界文化社）