クリスマスのことがよくわかる！クイズ10問

ニカイア

正解

4. 325年のニカイア公会議でキリスト生誕日が正式に検討されたこと

解説

325年のニカイア公会議は、キリスト教の教義や儀式に関する重要な会議でした。この会議で、キリストの生誕日として12月25日が有力候補として挙げられました。。ローマ教会が12月25日に降誕祭を行うようになるのは354年に教皇ユリウス１世（337-352）が「イエスの生誕（クリスマス）は12月25日である」と布告した以降で、379年からギリシア教会もこれに従うようになりました。

このように、西暦325年から354年にかけて、12月25日がキリストの生誕日として公認されるようになったのです。

正解

4. 19世紀にアメリカで作られた

解説
19世紀にアメリカでサンタ・クロースのイメージが確立されました。このイメージは、アメリカの挿絵画家トーマス・ナストによって描かれたものが広まりました。

1862年、ナストは週刊誌「ハーパーズ・ウィークリー」クリスマス号に、クレメント・ムーアの詩「クリスマスの前の晩」をもとに、八頭のトナカイが引くソリに乗ったサンタクロースを描きました。ここで初めて、「まるまる太ってニコニコ顔、白い髭をはやしたサンタクロー」の新キャラクターが登場したのです。

Harper's Weekly誌に掲載されたナストのサンタクロースのマンガ

ナストは、赤い服を着た太った老人の男性としてサンタ・クロースを描き、彼がトナカイに引かれたソリに乗ってプレゼントを配る姿を表現しました。このイメージはその後、商業的な広告や文化の一部として定着し、世界中で広く知られるようになりました。

Harper’s Weekly – January 3, 1874　by Thomas Nast

正解

1. オーストリアで1818年12月24日に初演された

解説

「きよしこの夜」は、もっともよく知られたクリスマス・キャロルの一つです。この曲は、オーストリアの教会楽長フランツ・グルーバー（Franz Xaver Gruber）によって作曲され、1818年12月24日にオーストリアのオーベルンドルフの聖ニコラウス教会で初演されました。この歌にまつわる逸話によると、 クリスマス・イヴの前日、教会のオルガンが発音できない状態になりました。そして、クリスマスに歌う賛美歌の伴奏ができなくなり、聖ニコラウス教会の助任司祭ヨゼフ・モアは急遽“Stille Nacht”の詞を書き上げ、近くの村アルンスドルフの教師兼聖ニコラウス教会のオルガン奏者フランツ・クサーヴァー・グルーバーに、この詞にギターで伴奏できる讃美歌を作曲してくれるように依頼しました。グルーバーは最初「教会でギターを弾いても誰も気に入らないのではないか?」と懸念していましたが、ヨゼフの説得もあって詞に曲をつけることを了承しました。グルーバーは一晩中懸命に考え続け、ついにこの曲を完成させました。曲が完成したのは教会でミサが始まるわずか数時間前のことだったといわれます。モアがギターを弾きながら上のメロディーを、グルーバーが下のメロディーを歌い、教会の聖歌隊が終わりの四小節を四声で繰り返しました。会衆はそれまでギターを見たことがなく、モアがギターを弾き始めると最初は驚いたようだったが、やがて曲の美しさに引き込まれていったということです。

オーストリアで初演された「きよしこの夜」は、その後世界中に広まり、さまざまな言語で歌われるようになりました。この曲は、クリスマスの季節になると、多くの人々によって歌われ、クリスマスの喜びと祝福を表現する重要な楽曲となっています。

「きよしこの夜」教会(CC: Flickr)

「きよしこの夜」教会のグルーバー記念オルガン(CC: Flickr)

参考文献:

- Young, W. E. (1993). *The Carols of Christmas: A Celebration of the Surprising Stories Behind Your Favorite Holiday Songs*. HarperCollins.
- 古川昌義『世界のクリスマス・キャロル : その歴史と文化』八坂書房, 2012.

シュトラスブルク（現：ストラスブール）のクリスマス・ツリー

正解

3. ドイツ

解説

クリスマス・ツリーを飾る風習は、ドイツで始まりました。16世紀初めには、ドイツの家庭でモミの木などの針葉樹に灯や金銀の飾りをつける習慣が広まりました。この風習は、17世紀中ごろには宮廷の習慣として取り入れられ、19世紀に入ると一般の家庭でも広まっていきました。

1605年のアルザス地方の旅行記には，シュトラスブルク（現，ストラスブール）ではクリスマスに色紙で作ったバラの花やリンゴや砂糖などを飾った木を立てると記されています。クリスマス・ツリーは，元来クリスマスの日から公現祭（1月6日）まで飾られ，公現祭の日に初めて菓子や飾りをとるという慣習からみて，新年を迎える行事であったと考えられます。ドイツ各地では古くから冬至や新年に生命力の象徴である常緑樹の枝を窓や天井に飾りつける風習があり，またツリーに飾られる食物や灯にも豊饒の願いや悪魔ばらいの意味があります。

参考文献:

- クラウス・クラハト、克美・タテノクラハト『クリスマス : どうやって日本に定着したか』角川書店、1999年。
- 若林ひとみ『クリスマスの文化史』白水社、2004年。
- O.クルマン 著、土岐健治・湯川郁子 訳『クリスマスの起源』（新装版）教文館、2006年。

正解

3. ビュッシュ・ド・ノエル

解説

ビュッシュ・ド・ノエル（bûche de Noël）は、フランスでクリスマスに食べられる伝統的なケーキです。このケーキは、木の形を模した特徴的なデザインがあります。フランス語でノエル（Noël）は「クリスマス」、ビュッシュ（bûche）は「木（丸太）」で「クリスマスの木」という意味があります。

ビュッシュ・ド・ノエルは、一般的には、スポンジケーキを巻いて、バタークリームやチョコレートクリームで飾りつけられます。ビュッシュ・ド・ノエルは、クリスマスのお祝いの食事の一部として楽しまれることが多く、フランスのクリスマスの伝統的なデザートとして知られています。

フランスでは、クリスマスの時期になると、多くの家庭やパティスリーでビュッシュ・ド・ノエルが販売されます。このケーキは、クリスマスの食事や祝いの席で楽しまれ、特に子供たちはビュッシュ・ド・ノエルを楽しみにしています。

ビュッシュ・ド・ノエルは、フランスのクリスマスの文化的なアイコンの一つであり、その美味しさと特徴的なデザインが愛されています。

参考文献:

- Bruno, P. & Sorin, F. (2012). *Christmas in France: An Insight into French Christmas Traditions and Food*. CreateSpace Independent Publishing.
- 『フランスのクリスマス料理と食文化』(https://www.france.fr/ja/paris/article/44074)

ディケンズ「クリスマス・キャロル」(Flickrより）

正解

3. スクルージ

解説

ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」の主人公の名前はエベネザー・スクルージです。スクルージは金持ちでありながら、人々に対して冷酷で無慈悲な態度を取る人物として描かれています。しかし、クリスマスの夜に亡きビジネスパートナーのジェイコブ・マーリーの幽霊と出会い、過去、現在、未来の影響を通じて自分の罪と向き合うことになります。

スクルージは、クリスマスの夜を通じて自己の欲望や利己主義から脱却し、他人への思いやりや善行を行うようになります。この物語は、スクルージがクリスマスの精神に目覚め、新たな人生の道を歩む姿を描いており、多くの読者に感動と希望を与えてきました。

「クリスマス・キャロル」は、ディケンズによるクリスマスの名作として知られており、そのメッセージや主人公の変化が多くの人々に影響を与えてきました。

参考文献:

- ディケンズ、C. (1843). 『クリスマス・キャロル』。
- ジョン・フォーダム『ディケンズのクリスマス・キャロル : その背景と解釈』（復刻版）学習研究社、1995年。

正解

4. 「マタイによる福音書」と「ルカによる福音書」

解説

イエス・キリストの降誕の場面は、聖書の「マタイによる福音書」と「ルカによる福音書」に記述されています。

マタイによる福音書では、イエス・キリストの降誕が東方の三賢者によって知らされ、彼らが星を辿ってベツレヘムに到着し、イエスに礼拝を捧げる場面が描かれています。

一方、ルカによる福音書では、イエス・キリストの降誕がベツレヘムの小さな宿屋にて、馬の飼葉の中に寝かされたイエスに天使たちが現れ、近くの牧羊者たちにイエスの誕生を告げる場面が描かれています。

これらの福音書によって、イエス・キリストの降誕の詳細が伝えられています。

参考：

新約聖書　マタイによる福音書　第2章より

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「イエスがヘロデ王の代に、ユダヤのベツレヘムでお生れになったとき、見よ、東からきた博士たちがエルサレムに着いて言った、 「ユダヤ人の王としてお生れになったかたは、どこにおられますか。わたしたちは東の方でその星を見たので、そのかたを拝みにきました」。 ヘロデ王はこのことを聞いて不安を感じた。エルサレムの人々もみな、同様であった。 そこで王は祭司長たちと民の律法学者たちとを全部集めて、キリストはどこに生れるのかと、彼らに問いただした。 5彼らは王に言った、「それはユダヤのベツレヘムです」（中略）

そこで、ヘロデはひそかに博士たちを呼んで、星の現れた時について詳しく聞き、 彼らをベツレヘムにつかわして言った、「行って、その幼な子のことを詳しく調べ、見つかったらわたしに知らせてくれ。わたしも拝みに行くから」。 彼らは王の言うことを聞いて出かけると、見よ、彼らが東方で見た星が、彼らより先に進んで、幼な子のいる所まで行き、その上にとどまった。 彼らはその星を見て、非常な喜びにあふれた。 そして、家にはいって、母マリヤのそばにいる幼な子に会い、ひれ伏して拝み、また、宝の箱をあけて、黄金・乳香・没薬などの贈り物をささげた。 そして、夢でヘロデのところに帰るなとのみ告げを受けたので、他の道をとおって自分の国へ帰って行った。」（出典：日本聖書協会）

ムリーリョ画「マギの礼拝」（米国オハイオ州トレド美術館蔵）

新約聖書　ルカによる福音書　第2章より

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「そのころ、全世界の人口調査をせよとの勅令が、皇帝アウグストから出た。 これは、クレニオがシリヤの総督であった時に行われた最初の人口調査であった。 人々はみな登録をするために、それぞれ自分の町へ帰って行った。 ヨセフもダビデの家系であり、またその血統であったので、ガリラヤの町ナザレを出て、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。 それは、すでに身重になっていたいいなづけの妻マリヤと共に、登録をするためであった。 ところが、彼らがベツレヘムに滞在している間に、マリヤは月が満ちて、 初子を産み、布にくるんで、飼葉おけの中に寝かせた。客間には彼らのいる余地がなかったからである。
さて、この地方で羊飼たちが夜、野宿しながら羊の群れの番をしていた。 すると主の御使が現れ、主の栄光が彼らをめぐり照したので、彼らは非常に恐れた。 御使は言った、「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。 きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生れになった。このかたこそ主なるキリストである。 あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼葉おけの中に寝かしてあるのを見るであろう。それが、あなたがたに与えられるしるしである」。 するとたちまち、おびただしい天の軍勢が現れ、御使と一緒になって神をさんびして言った、いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上では、み心にかなう人々に平和があるように」。

ホーファールト・フリンク「羊飼いへの告知」（ルーヴル美術館蔵）

御使たちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼たちは「さあ、ベツレヘムへ行って、主がお知らせ下さったその出来事を見てこようではないか」と、互に語り合った。 そして急いで行って、マリヤとヨセフ、また飼葉おけに寝かしてある幼な子を捜しあてた。 彼らに会った上で、この子について自分たちに告げ知らされた事を、人々に伝えた。 人々はみな、羊飼たちが話してくれたことを聞いて、不思議に思った。 しかし、マリヤはこれらの事をことごとく心に留めて、思いめぐらしていた。 羊飼たちは、見聞きしたことが何もかも自分たちに語られたとおりであったので、神をあがめ、またさんびしながら帰って行った。
八日が過ぎ、割礼をほどこす時となったので、受胎のまえに御使が告げたとおり、幼な子をイエスと名づけた。（出典：日本聖書協会）

正解

4. 12月24日に始まり、1月6日に終わる

解説

西方教会のしきたりでは、クリスマスは12月24日日没に始まり、1月6日に終わります。この期間はクリスマス期間と呼ばれており、クリスマスの祝福と喜びを祝うために設定されています。

12月24日日没から12月25日の夜は、クリスマス・イヴと呼ばれる時間帯であり、イエス・キリストの降誕を祝うために特別なミサや祈りが行われます。そして、12月25日から1月6日までは、クリスマスの12日間として知られており、この期間はクリスマスの祝祭や祝賀活動が行われます。

1月6日は、エピファニーまたは公現祭と呼ばれる日であり、イエス・キリストの誕生を異邦人に示す出来事を祝う日です。この日には、教会で特別なミサや祈りが行われ、クリスマス期間は終了します。

西方教会のクリスマス期間は、イエス・キリストの降誕を祝福し、クリスマスの喜びを共有するための特別な時期です。

ベツレヘムの聖誕教会（Flickrより）

正解

4. パレスチナ

解説

ベツレヘムは、新約聖書でイエス・キリストの生誕地とされています。現在、ベツレヘムはパレスチナに位置しています。

ベツレヘムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三つの宗教にとって重要な場所であり、イエス・キリストの降誕地としてキリスト教徒にとって特に重要な聖地です。毎年、多くの巡礼者がベツレヘムを訪れ、イエス・キリストの生誕を祝います。

パレスチナには、ベツレヘムを含むいくつかのキリスト教の聖地があり、これらの聖地はキリスト教徒にとって信仰上の重要な場所です。ベツレヘムの教会や聖地は、訪れる人々にとって神聖な場所であり、信仰心を深める機会となっています。

参考文献:

- 田中敏雄『聖書百科事典』いのちのことば社, 2006年.
- 『パレスチナとイスラエルの聖地を巡る旅 : 歩きながらヨルダン川をさかのぼってゆく』 日本キリスト教団出版局, 2015年.

『東方三博士の礼拝』 バルトロメ・エステバン・ムリーリョ（米国オハイオ州トレド美術館蔵）Wikipediaより

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1. 乳香、没薬、黄金

解説

新約聖書「マタイによる福音書」によると、星に導かれてベツレヘムに来たマギ（東方の三博士）がマリアと幼子イエスに捧げた贈り物は、乳香、没薬、黄金でした。

乳香はフランクインセンスとも呼ばれ、香り高い樹脂であり、古代から宗教的な儀式や祭りで使用されてきました。没薬はミルラとも呼ばれ、香り高い樹脂であり、薬効や防腐作用があるとされています。黄金は貴重な金属であり、富や王権を象徴するものとして贈られました。

これらの贈り物は、当時の東方の文化や宗教的な意味合いを持っており、イエス・キリストの特別さや神性を表現するために選ばれたものです。

参考リンク：
「世界遺産を学ぶ」クリスマス特集

世界遺産を学ぶ

「世界遺産を学ぶ」クリスマス特集

http://worldheritage.online/?p=15131

目 次 はじめに世界遺産『ベツレヘム』：イエス・キリスト生誕の地ベツレヘムのクリスマスはいま、イエス・キリスト生誕の逸話羊飼いの野の礼拝堂　The Shepherds' Field Chap