ベートーヴェンのことがよくわかる！クイズ10問

正解: 4. ボン

解説: ベートーヴェンは1770年12月17日にドイツのボンで生まれました。彼の一家はボンのケルン選帝侯宮廷の優れた歌手かつ鍵盤楽器奏者として知られており、祖父ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの援助により生計を立てていました。幼少のベートーヴェンも祖父ルートヴィヒを敬愛しており、同時代人からも尊敬されていました。ベートーヴェンは自身の部屋に祖父の肖像画を何年間も飾っていたことでもその敬愛ぶりがうかがえます。

ベートーヴェンの生まれたボンは現在のドイツ領です。当時はまだ、大小３００もの領邦国家に分かれていました。彼の生まれた場所は音楽史上においても重要な場所となり、現在ではベートーヴァン・ハウスとして博物館になっており、多くの人々が彼の功績を讃えるために訪れています。

正解: 4. ブロイニング家

解説:
ベートーヴェンは12歳から20代までの長い期間にわたり、ブロイニング家と親しい交流を持ちました。この家族にはヘレーネ・フォン・ブロイニング夫人、娘のエレオノーレ、息子のクリストフ、シュテファン、ローレンツがおり、特にベートーヴェンはシュテファンとの交流が深かったです。ベートーヴェンは多くの時間をこの家で過ごし、ベートーヴェンの親友であるヴェーゲラーも頻繁にこの家に訪れていました。

ブロイニング家はボン時代の後援者としてベートーヴェン家を支えており、彼らの助けを得て生活していました。ベートーヴェンの才能と音楽への情熱を認めたブロイニング家は、彼にとって重要な存在でした。

正解: 3. ハイドン

解説: ハイドンはベートーヴェンがウィーンに行くきっかけを与えた人物です。ベートーヴェンはハイドンの才能に感銘を受け、彼のもとで学ぶ機会を求めてウィーンに向かいました。ハイドンは当時イギリスに滞在していたため、ベートーヴェンはウィーンに到着するまでに数多くの都市を訪れました。しかし、ハイドンの指導を受けることは叶いませんでした。

ベートーヴェンはウィーンでの活動を通じて、自身の音楽の才能を開花させ、後の偉大な作曲家としての道を歩んでいくことになりました。

正解: 3. 27歳

解説: ベートーヴェンの難聴は彼の人生に大きな影響を与えました。難聴が始まったのは彼が27歳のときでした。当初は軽度の耳鳴りや聞き取りの困難から始まり、徐々に悪化していきました。彼は医師に相談し、様々な治療を試みましたが、難聴は次第に進行し、最終的には完全な失聴者となりました。

ベートーヴェンの難聴は彼の音楽活動にも影響を与えました。彼は演奏家としてのキャリアを断念し、作曲に専念することとなりました。彼は難聴による苦悩を乗り越え、その後も多くの傑作を生み出しました。

ベートーヴェンの難聴の原因については諸説ありますが、具体的な原因は明らかになっていません。彼の難聴は器質的な問題だけでなく、精神的な要素や環境的な要素も関与している可能性があります。現代の研究では、彼の体内から高濃度の鉛が検出されたことから、鉛中毒が原因である可能性も示唆されています。

ベートーヴェンの難聴は彼の人生を大きく変えましたが、それでも彼は音楽の領域で偉大な功績を残し、後世に多大な影響を与えました。

正解: 4. ベートーヴェンの死後、詩人のルートヴィヒ・レルシュタープが残したコメント

解説: 「月光ソナタ」という名称は、ベートーヴェンの死後に詩人のルートヴィヒ・レルシュタープが残したコメントに由来しています。1832年、ベートーヴェンの死後5年が経過した頃、レルシュタープはこの曲の第1楽章がもたらす効果を指して「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と表現しました。この表現が広まり、19世紀終盤になると「月光ソナタ」という名称が世界的に知られるようになりました。

「月光ソナタ」はベートーヴェンのピアノソナタ第14番であり、その第1楽章は特に有名です。この楽章は緩やかなテンポで始まり、静かな音色と繊細な旋律が特徴です。聴く人に幻想的な雰囲気を与え、月明かりの中で揺らぐ波のイメージを連想させます。

曲名の由来については、かつて、次のような伝説が流布していました。ある月の夜、ひとり散歩していたベートーヴェンは、誰かが奏でているピアノの音色にふと足を止めます。その家をたずねると、ピアノを弾いていたのは盲目の少女でした。感銘を受けたベートーヴェンは、「目の見えない彼女のために、音楽で月の光を感じてほしい」と、即興でピアノを弾き、少女は感動の涙にくれるのでした。それが『月光ソナタ』誕生の瞬間だったというのです。けれども、このピアノソナタの曲名が付いたのは、上述したようにベートーヴェンの死後ですから、これは作り話です。「月光」ソナタは、ベートーヴェンの弟子であったジュリエッタ・グイチアルディに献呈されています。

アントニエ・ブレンターノ（Wikipediaより）

正解: 2. アントニエ・ブレンターノ

解説:

• テレーゼ・ブルンスヴィック: ベートーヴェンの手紙の中で彼女に向けた愛の言葉が見られますが、不滅の恋人ではありません。。
• アントニエ・ブレンターノ: 青木やよひの研究によれば、ベートーヴェンの手紙の中で不滅の恋人とされた女性です。
• マグダレーナ・ヴィルマン: マグダレーナ・ヴィルマンはベートーヴェンが求婚したと言われますが、1801年に亡くなってろ、不滅の恋人ではありまません。
• ヨゼフィーネ・ブルンスヴィック: ベートーヴェンの手紙の中で彼女に向けた愛の言葉が見られます。一時は不滅の恋人の最有力候補と言われていましたが、不滅の恋人ではありません。

ベートーヴェンの不滅の恋人とされる人物は諸説ありますが、最も有力な候補はアントニエ・ブレンターノです。彼女との関係はベートーヴェンの創作活動に大きな影響を与えたと考えられます。

参考文献：
青木やよひ著『ベートーヴェン　不滅の恋人』河出文庫　1995
青木やよひ著『ベートーヴェン〈不滅の恋人〉の謎を解く』講談社

正解: 4. ナポレオン

解説: ベートーヴェンの交響曲第3番「エロイカ」は、当初、フランスの政治家であるナポレオン・ボナパルトに献呈される予定でした。ベートーヴェンはナポレオンを革命の英雄として尊敬し、彼の人格や理念に感銘を受けていました。しかし、ナポレオンが自らを皇帝に即位させたことに失望し、彼に対する敬意を失ったベートーヴェンは、献呈を取り消しました。

この交響曲はナポレオンの偉業や革命の理念を讃えるために作曲されたとされており、その壮大な音楽は当時の音楽界に大きな衝撃を与えました。ベートーヴェンは後に献呈先をナポレオンから一般の英雄に変更しましたが、その音楽の力強さと革新性は現代でも多くの人々に愛され続けています。

ベートーヴェンが「英雄」交響曲を作曲したと言われるウィーン市内の家

ベートヴェンが遺書を書いたハイリゲンシュタットの家（現在はベートーヴェン博物館になっている）

正解: 3. 難聴に苦しみ、絶望したこと

解説: ベートーヴェンが32歳のとき、ハイリゲンシュタットで遺書を書きました。彼はこの遺書の中で、自殺しようと思い詰めた最大の原因として、自身の難聴に苦しみ、絶望したことを挙げています。ベートーヴェンは若い頃から耳の問題を抱えており、次第に難聴が進行していきました。

ベートーヴェンは音楽家としてのキャリアを築いていく中で、難聴による困難や苦悩を経験しました。彼は多くの治療法を試しましたが、難聴は次第に進行し、最終的には完全な失聴者となりました。この難聴の進行により、彼は音楽の世界での活動に制約を受けることとなりました。

ベートーヴェンの難聴は彼の心に大きな影響を与えました。彼は孤独や絶望感に苦しむ日々を過ごし、自殺を考えるようになりました。しかし、彼は音楽に対する情熱と創造力を持ち続け、多くの傑作を生み出しました。

ベートーヴェンの遺書は彼の内面の葛藤や苦悩を浮き彫りにしたものとされています。彼の音楽はその後も多くの人々に感銘を与え、その存在は不滅となりました。

ベートーヴェン　交響曲第5番「運命」カラヤン指揮、ベルリンフィル演奏

ベートーヴェンが「交響曲第5番」を作曲したのは、34歳の時でした。ハイリゲンシュタットでの苦難を乗り越えた頃だったのでしょうか。

正解: 1. ハイリゲンシュタット

解説: ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」は、ハイリゲンシュタットで作曲されました。ベートーヴェンはしばしば夏の間、ウィーン郊外のハイリゲンシュタットに滞在していましたが、自然の美しさと平和な環境に触発されてこの交響曲を作曲しました。ハイリゲンシュタットには、現在でも「ベートーヴェンの小径」(Beethovengang)という散歩道が保存されていますが、ここを歩くと、ワイン畑や緑豊かな森林があり、「田園」交響曲の着想を得たベートーヴェンの面影が浮かんでくるな気がします。

ハイリゲンシュタットの小径を歩きながら曲想を練るベートーヴェン

「田園」はベートーヴェンの交響曲の中でも特異な存在であり、彼の音楽の中でも特に親しまれています。この交響曲は、自然の四季の移り変わりや農村風景を描写しており、豊かな音楽的表現によって自然の美しさと平和を伝えています。

ベートーヴェンが自然に囲まれたハイリゲンシュタットで作曲した「田園」は、彼の内なる感性や思考の変化を反映しています。この交響曲は、ベートーヴェンの音楽の中でも独特な存在であり、多くの音楽愛好家に愛され続けています。

Beethovengang

ハイリゲンシュタット付近の葡萄畑

正解: 3. 苦悩を通して歓喜に至る

解説: ベートーヴェン最後の交響曲第9番は、苦悩を通して歓喜に至るというテーマを掲げています。この交響曲は、ベートーヴェンの内面的な闘争や努力を反映した作品であり、前の3つの楽章が第4楽章の前提として配置されています。第1楽章では、力強い序奏の後に壮大な第1主題が奏されます。第2楽章では、スケルツォとしての形式とフガートが組み合わさり、大規模な構成法が取り入れられています。第3楽章では、2つの主題を持つ変奏曲となっており、自由にまとめられています。そして、第4楽章では、苦悩を乗り越えて歓喜に至ることを歌い上げ、全人類が協調して実現すべき平和を理想主義的に表現しています。この歓喜の歌は、ドイツの詩人シラーによる「歓喜に寄せる」の一部を使った歌曲で、合唱つきの交響曲としては史上初のものでした。

ベートーヴェンの交響曲第9番は、合唱を組み込んだ独創的な特徴や大規模な楽器編成などから、後の作曲家に多大な影響を与えました。